2025年07月12日

観能の夕べ 狂言「雷」 能「竹生島」

石川県立能楽堂で「観能の夕べ」を鑑賞してきました。

  20250705 観能の夕べ.jpg
  (1500円 自由席 前回・今回ともに本舞台の正面、目付柱の延長線の席で見やすかった)

今回の番組は、狂言「雷」と能「竹生島(ちくぶしま)」(17時開演、18時40分終演)
※演目解説は、チラシより

狂言「雷」 雷:中尾史生
都での商売がうまくいかない藪医者は、生活の拠点を奥州へ移すため長旅に出ます。武蔵野に差し掛かった時、突然雷鳴がとどろき、目の前に雷様が落ちてきました。腰を打ってしまい苦しんでいる雷様に、医者は治療を施しますが…。

能「竹生島」 シテ:島村明宏
延喜帝の臣下が竹生島参詣のために琵琶湖を訪れ、漁翁と女人が乗った船に同上する。二人は竹生島の縁起を語り、社殿と波間にそれぞれ消えて行く。
やがて弁財天と竜神が現れ、宝物を捧げ天下泰平を祝福する。

上演前の解説は、佐々木香織さん(石川工業高等専門学校 教授)

「竹生島」では、舞台の中央後方の一畳台の上に引き回しを掛けた社殿(作り物)が設置されており、前ツレ(女人)が中入りで中に隠れ、光り輝く弁財天(後ツレ)の姿となって現れ、一方、前シテ(漁翁)が後シテ(竜神)となって湖上に出現し、ともに舞う見せ場が美しい。


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2025年07月05日

観能の夕べ 狂言「柿山伏」 能「土蜘」

石川県立能楽堂で毎年恒例の「観能の夕べ」を鑑賞してきました。

  20250705 観能の夕べ.jpg
  (1500円 自由席)

今回の番組は、狂言「柿山伏(かきやまぶし)」と能「土蜘(つちぐも)」(17時開演、18時30分終演)
※演目解説は、チラシより

狂言「柿山伏」 山伏:清水宗治
修行の帰り道、喉が渇いた山伏は道中で柿の木を見つけます。柿の木へ登り柿を食べて喉を潤していると、そこへ柿畑の持ち主が見回りにあらわれ山伏を見つけます。木の陰に隠れた山伏を見て、動物の真似をさせてからかっていると…。

能「土蜘」 前シテ(僧)・後シテ(鬼神):藪克徳
源頼光(みなもとのらいこう)が病気で寝込んでいると、見知らぬ僧が現れ、頼光に向かって蜘の糸を投げかける。頼光が名刀・膝丸(ひざまる)を抜いて斬りかかると僧は姿を消した。
家臣の独武者(ひとりむしゃ)は土蜘の血をたどり、棲家を見つけ出して土蜘を退治する。

上演前の解説は、村戸弥生さん(金沢美術工芸大学 非常勤講師)
スマホで見る多言語字幕サービス「能サポ」が提供されていて、あらすじや見どころの解説が表示されるので便利でした。
終演後には藪克徳さんと平木豊男さんによるアフタートークがありました。

トークの中ではシテが投げかける蜘の糸についての話が興味深かったですね。
別名「なまり玉」とも呼ぶ糸は、和紙を細く切り、中心に鉛の針金を巻いたものを束ねて作られており、長さは3間(約5m)・5間(約9m)などの種類があること、作り手が少なく注文に製作が追いつかない状況であることなど。
また投げ方も、直線的よりも弧をつくるような曲線的な糸の広がり方のほうがよいとのこと。

  20250705 土蜘.jpg
  (写真は北陸中日新聞Webからの借用)

どちらの演目も見ていて物語がわかりやすく、特に「土蜘」はショー的な演出が見どころ。


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2021年01月17日

新春檜舞台

石川県立音楽堂 邦楽ホールで、新春の吉例「新春檜舞台 新年のめでたい芸能華絵巻」を観てきました。

  20210117 新春檜舞台.jpg
  (一等席 1階席3列16番 GoToイベント対象で前売4500円のところ3600円)公演約90分

<演目>(解説は配付のプログラムより引用)
●宝生流 半能:「高砂」 渡邊荀之助
 阿蘇神社の神主・友成は上京の途中、播磨の国・高砂の浦で松の下を掃く老夫婦に出会う。
 夫婦は高砂と住吉、「相生の夫婦」である両地の名松の化身だった。
 海路をたどり摂津の国・住吉に到着した友成は、天下泰平を祝福して舞う住吉明神の夜神楽を見る。

 前後二場ある能の後半部だけを上演する形式が「半能」
 今回はワキ・友成が高砂を船出し住吉に着くところから始まります。
 地謡の「高砂や。此浦舟に帆をあげて」の一節は、婚礼の席によく謡われるもの。
 ノリの良い「出端」の囃子でシテが登場。
 「神舞」が舞われ、最後には「千秋楽は民を撫で。万歳楽には命を延ぶ。相生の松風颯々の声ぞたのしむ」と謡い納められます。
 この部分だけ短く採り上げ、日常の能の催しの最後に謡い添える「付け祝言」の風習は今もよく見られます。

●落語:「幾代餅(いくよもち)」 林家たい平
 搗(つ)き米屋(精米業者)の奉公人・清蔵が、吉原遊郭の花魁・幾代太夫の錦絵に一目ぼれ。
 「しょせんは高嶺の花」と思っても、諦めることができない。
 一年間働いて貯めたお金をはたいて、いざ吉原へと赴くがー。
 幾代太夫への思いを一途に貫く清蔵の姿に打たれた親方夫妻や、通人の町医者があの手この手で応援する。
 心温まる結末の長編人情噺。

 話が始まって間もなく客席から携帯の着信音が鳴るハプニング。
 それをイヤな顔もせず、やんわりと受け止め、「電源を切るなら今ですよ。確認するなら今ですよ」と観客への注意喚起も笑いに変えてしまう臨機応変な対応に感服です。

●舞踊/長唄:「常盤の庭」 立方:若柳宗樹、若柳吉優
 江戸および諸国の四季の風光の美を歌う、盛りだくさんで上品な名曲。
 安芸の厳島神社をたたえ、その縁起から始まり、一転して芝浦から眺めた品川沖の風景のさまざまがうたわれる。
 はじめの荘重さから「春夏秋冬楽しみの、千代に万代祝し祝して」の結びまで、変化に富んだ、めでたい曲。

 本来、長唄は江戸の歌舞伎に密着しており、役者の舞踊伴奏や芝居の効果音楽全般を担当する劇場付属の音曲。
 当時、芝居は廓と並ぶ「悪所」とされたので、高位の人が親しむべきものではありませんでした。
 ところが、粋で洗練を極めた曲風は身分を超えて愛されるところとなり、ついには芝居や舞踊とは無関係に演奏だけを楽しむ「お座敷長唄」が作られます。
 明治時代以降、皇族・華族など新たな上流階級で長唄が盛んにもてはやされた背景には、「常磐の庭」新作のような意欲的試みがあったのです。

  20210117 新春檜舞台1.jpg

めでたい演目、会場エントランスの餅玉飾りで新春気分で華やいで。


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2020年12月20日

日本最高の雅楽団 東京楽所&洋遊会

石川県立音楽堂 邦楽ホールで、いしかわ・金沢「風と緑の楽都音楽祭2020」秋の陣  特別公演「日本最高の雅楽団 東京楽所&洋遊会」を聴いてきました。

  20201220 東京楽所&洋遊会.jpg
  (1階席 3列20番 2500円)

宮内庁式部職楽部のメンバーたちによる日本伝統の雅楽演舞。

<宮内庁のサイトより>
●雅楽は、ほぼ10世紀に完成し皇室の保護の下に伝承されて来たものです。
●雅楽には、日本固有の古楽に基づく神楽・倭(やまと)舞・東游(あずまあそび)・久米(くめ)舞・五節舞(ごせちのまい)などの国風(くにぶり)の歌舞(うたまい)のほかに、外来音楽を基として作られた大陸系の楽舞すなわち中国系の唐楽(とうがく)と朝鮮系の高麗楽(こまがく)、そして、これらの合奏曲の影響で平安時代に作られた催馬楽(さいばら)と朗詠の歌物とがあります。
●演奏形式は、器楽を演奏する管絃と舞を主とする舞楽と声楽を主とする歌謡とに分かれています。
●使用される楽器には、日本古来の神楽笛・和琴などのほかに、外来の笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・笛などの管楽器と、箏(そう)・琵琶などの絃楽器と、鞨鼓(かっこ)・太鼓・鉦鼓(しょうこ)・三の鼓などの打楽器があります。

<プログラム>
第一部 管弦 ~雅楽と大相撲、驚きの関係~
●盤渉調(ばんしきちょう) 音取(ねとり)
 管弦演奏では、最初に本日の管弦楽曲の調子を必ず奏でます。
 管絃で奏される唐楽の曲目は、演奏の場ごとに1つの調子で揃えられることが基本。
 本日の盤渉調は西洋音名の「シ」
 調子は6つあり、盤渉調のほかに、壱越調(いちこつちょう)、平調(ひょうじょう)、
 双調(そうじょう)、黄鐘調(おうしきちょう)、太食調(たいしきちょう)があります。
 冬は盤渉調、春は双調、夏は黄鐘調、秋は平調、という決まり。

 音取とは、音楽を演奏する前に、楽器の音調を試みるための、短い一種の序奏のこと。
 管弦楽曲選定の基盤となり、チューニングだけではない奥の深さがあります。

●盤渉調 越天楽(えてんらく)
 本曲は平調の曲で、民謡「黒田節」などにその旋律を聴くことができます。

●盤渉調 千秋楽(せんしゅうらく)
 もともとは、大嘗祭のために作られた楽曲といわれています。
 大嘗祭は、天皇の即位後最初の新嘗祭で、一代一度の祭事ということもあり、新しい天皇に
 とっては大切な儀式です。
 当初は、大嘗祭の時だけに演奏され、今上の天皇の間には再び演奏されることは無かった
 ようですが、次第に舞楽会や相撲節会(すまいのせちえ)などのイベントの最後にも子の曲が
 演奏されるようになったことから、相撲や歌舞伎の最終日を「千秋楽」と呼ぶようになったと
 言われています。

第二部 舞楽 ~平安王朝文学「源氏物語」より~
●左舞(さまい) 平舞(ひらまい) 二人舞 萬歳楽(まんざいらく)
 左方の舞(左舞)は、中国や中央アジア、南アジア方面などに主な起源を持つ舞楽。
 唐楽を用い、3種類の管楽器(笙・篳篥・龍笛)と3種類の打楽器(鞨鼓・太鼓・鉦鼓)による
 編成が基本。
 舞人は赤系統を基調とする装束で、向かって左の方から進み出て舞台に登り、旋律に合わせた
 振りで舞います。

●右舞(うまい) 走舞(はしりまい) 一人舞 落蹲(らくそん)
 右方の舞(右舞)は、朝鮮や満州方面などに主な起源を持つ舞楽。
 高麗楽を用い、管楽器と打楽器による編成ですが、唐楽とは楽器の種類がいくつか異なります。
 舞人は緑系統の装束で、向かって右の方から進み出て舞台に登り、リズムに合わせた振りで舞う。

舞われる順は、左舞が先で、右舞があと。

舞楽は、舞の姿によって平舞、武舞(ぶのまい)、走舞、童舞(わらわまい)の4種に分かれる。
平舞は、文舞(ぶんのまい)とも呼ばれ、抽象的な動きを主体とするゆるやかなテンポの舞。
走舞は、舞台上を活発に動きまわる、1人または2人による舞。


演目についての説明書きとともに、音楽プロデューサーの野原耕二さんの解説もあって、初心者でも理解しやすく楽しめました。

演奏の進め方にも、標準的なかたちがあり、まず、奏者全員が着座すると、笙の主奏者が調絃のために音を鳴らし、琵琶と箏の奏者が調絃を確認します。
鞨鼓奏者(最前列、向かって右端)のお辞儀のあと、全員が演奏の姿勢・楽座(がくざ:あぐらのこと)になり、音取へと進みます。
音取が終わると、鞨鼓の奏者が桴(ばち)を持って構える演奏の始まりの合図で、龍笛(りゅうてき)の主奏者が曲を吹き始め、ある一定の箇所から全員合奏になります。

ちゃんと雅楽を間近で見聴きするのは今回が初めてのような気がします。
次回の機会が楽しみです。


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ラベル:雅楽
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2019年09月07日

石田ひかりが案内する 日本の"音"

石川県立音楽堂 邦楽ホールで音楽堂 芸のかたちシリーズ Vol.2「石田ひかりが案内する 日本の"音"」を聴いてきました。

     20190907 石田ひかりが案内する日本の音.jpg
     (一等席 1階席6列21番 前売り4500円)

第1部:現代に息づく「三味線の世界」
    「組曲 ~日本の情景~」 松永忠一郎<作>
    「etude」 清元栄吉<作曲>
    「利休」 清元栄吉<作曲>
    「光秀」 鶴澤津賀寿<作曲>

第2部:地歌・箏曲の世界
    生田流地歌「吾妻獅子」 峰崎勾当<作>
    山田流筝曲「那須野」 山田検校<作曲>

第3部:出演者全員による大合奏「令和礼讃」
    東龍男<選歌と構成>
    松永忠一郎<作曲> 
    清元栄吉<作曲>
    鶴澤津賀寿<作曲>
    清元栄吉<編曲>

今回の演奏会は、タイトルのとおり、演奏だけでなく司会の石田ひかりさんと演者の方々とのやりとりで楽器や曲目についての説明があり、より一層楽しめました。

第1部は、長唄三味線(細棹)、清元三味線(中棹)、義太夫三味線(太棹)の三種類の三味線による音の違い。
第2部は、筝・三絃・尺八あるいは胡弓という三つの楽器で合奏する「三曲」という演奏の「かたち」を披露。
第3部は、今回の公演のために作られた曲「令和礼賛」を石田ひかりさんの万葉歌の詠誦とともに大合奏。

毎週、石田ひかりさんが司会を務めるNHK Eテレ『にっぽんの芸能』を録画して見ているので、一方的に親しみを感じています。
生で見るひかりさんは、テレビと同様に愛らしい雰囲気で、舞台の緞帳裏での設営替えがほんの少し遅れて、幕間の案内をつなぐのに時間が余ってしまった瞬間に見せた困った様子も微笑ましく。

やはり、演奏だけでなく、トークや解説があるほうが楽しいし、理解が深まります。


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ラベル: 地歌 三味線 邦楽
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