
(1階席 3列20番 2500円)
宮内庁式部職楽部のメンバーたちによる日本伝統の雅楽演舞。
<宮内庁のサイトより>
●雅楽は、ほぼ10世紀に完成し皇室の保護の下に伝承されて来たものです。
●雅楽には、日本固有の古楽に基づく神楽・倭(やまと)舞・東游(あずまあそび)・久米(くめ)舞・五節舞(ごせちのまい)などの国風(くにぶり)の歌舞(うたまい)のほかに、外来音楽を基として作られた大陸系の楽舞すなわち中国系の唐楽(とうがく)と朝鮮系の高麗楽(こまがく)、そして、これらの合奏曲の影響で平安時代に作られた催馬楽(さいばら)と朗詠の歌物とがあります。
●演奏形式は、器楽を演奏する管絃と舞を主とする舞楽と声楽を主とする歌謡とに分かれています。
●使用される楽器には、日本古来の神楽笛・和琴などのほかに、外来の笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・笛などの管楽器と、箏(そう)・琵琶などの絃楽器と、鞨鼓(かっこ)・太鼓・鉦鼓(しょうこ)・三の鼓などの打楽器があります。
<プログラム>
第一部 管弦 ~雅楽と大相撲、驚きの関係~
●盤渉調(ばんしきちょう) 音取(ねとり)
管弦演奏では、最初に本日の管弦楽曲の調子を必ず奏でます。
管絃で奏される唐楽の曲目は、演奏の場ごとに1つの調子で揃えられることが基本。
本日の盤渉調は西洋音名の「シ」
調子は6つあり、盤渉調のほかに、壱越調(いちこつちょう)、平調(ひょうじょう)、
双調(そうじょう)、黄鐘調(おうしきちょう)、太食調(たいしきちょう)があります。
冬は盤渉調、春は双調、夏は黄鐘調、秋は平調、という決まり。
音取とは、音楽を演奏する前に、楽器の音調を試みるための、短い一種の序奏のこと。
管弦楽曲選定の基盤となり、チューニングだけではない奥の深さがあります。
●盤渉調 越天楽(えてんらく)
本曲は平調の曲で、民謡「黒田節」などにその旋律を聴くことができます。
●盤渉調 千秋楽(せんしゅうらく)
もともとは、大嘗祭のために作られた楽曲といわれています。
大嘗祭は、天皇の即位後最初の新嘗祭で、一代一度の祭事ということもあり、新しい天皇に
とっては大切な儀式です。
当初は、大嘗祭の時だけに演奏され、今上の天皇の間には再び演奏されることは無かった
ようですが、次第に舞楽会や相撲節会(すまいのせちえ)などのイベントの最後にも子の曲が
演奏されるようになったことから、相撲や歌舞伎の最終日を「千秋楽」と呼ぶようになったと
言われています。
第二部 舞楽 ~平安王朝文学「源氏物語」より~
●左舞(さまい) 平舞(ひらまい) 二人舞 萬歳楽(まんざいらく)
左方の舞(左舞)は、中国や中央アジア、南アジア方面などに主な起源を持つ舞楽。
唐楽を用い、3種類の管楽器(笙・篳篥・龍笛)と3種類の打楽器(鞨鼓・太鼓・鉦鼓)による
編成が基本。
舞人は赤系統を基調とする装束で、向かって左の方から進み出て舞台に登り、旋律に合わせた
振りで舞います。
●右舞(うまい) 走舞(はしりまい) 一人舞 落蹲(らくそん)
右方の舞(右舞)は、朝鮮や満州方面などに主な起源を持つ舞楽。
高麗楽を用い、管楽器と打楽器による編成ですが、唐楽とは楽器の種類がいくつか異なります。
舞人は緑系統の装束で、向かって右の方から進み出て舞台に登り、リズムに合わせた振りで舞う。
舞われる順は、左舞が先で、右舞があと。
舞楽は、舞の姿によって平舞、武舞(ぶのまい)、走舞、童舞(わらわまい)の4種に分かれる。
平舞は、文舞(ぶんのまい)とも呼ばれ、抽象的な動きを主体とするゆるやかなテンポの舞。
走舞は、舞台上を活発に動きまわる、1人または2人による舞。
演目についての説明書きとともに、音楽プロデューサーの野原耕二さんの解説もあって、初心者でも理解しやすく楽しめました。
演奏の進め方にも、標準的なかたちがあり、まず、奏者全員が着座すると、笙の主奏者が調絃のために音を鳴らし、琵琶と箏の奏者が調絃を確認します。
鞨鼓奏者(最前列、向かって右端)のお辞儀のあと、全員が演奏の姿勢・楽座(がくざ:あぐらのこと)になり、音取へと進みます。
音取が終わると、鞨鼓の奏者が桴(ばち)を持って構える演奏の始まりの合図で、龍笛(りゅうてき)の主奏者が曲を吹き始め、ある一定の箇所から全員合奏になります。
ちゃんと雅楽を間近で見聴きするのは今回が初めてのような気がします。
次回の機会が楽しみです。
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ラベル:雅楽